不動産売買のQ&A
売却の価格や費用について
Q1適正価格の見極め方を教えてください
不動産の適正価格は、どのようにして決められるのでしょう。
不動産の価格には、
- 売主の「売却希望価格」
- 不動産会社の「査定価格」
- 「販売価格」
- 買主の「購入希望価格」
- 「成約価格」
があります。
1の「売却希望価格」は、売主の事情や希望によって決まります。
2の「査定価格」は過去の成約事例などから、不動産会社が売却できると判断した価格になります。
3の「販売価格」は、①と②を元に、売主の意向などによって決定します。
4の「購入希望価格」は「高くても価値があるので買いたい」「安く交渉して欲しい」など、買主の目的や志向、環境によって変わります。
5の「成約価格」は売主と買主間で合意した売買価格です。
上記をみても、不動産の「適正価格」を厳密に決めるのがいかに難しいかがお分かりいただけるでしょう。
実際、不動産の価格というもの自体が、不安定なものであることも事実です。
同じ場所の同様な物件でも、周りの環境の変化や経済情勢により、不動産価格は上がったり下がったりします。
一般的に、近隣に商業施設や病院、学校や幼稚園、道路などができると価格が高くなりますし、
反対に、大きなビルが建設され陽当たりが悪くなったり、近くに工場ができ、騒音がでるようになると、
安くなることもあります。
また周囲の環境にほとんど変化がなくても、バブル崩壊後には半分以下の価値になってしまった、という不動産もあります。
では、「適正価格」はないのでしょうか。
「適正価格」の参考になるものには、都道府県知事が年に一度公表する「基準地標準価格」、
各税務署が課税の金額を決めるために定めている「路線価」、国土交通省が年に一度公表している「公示価格」、
そして市町村が資産として課税基準を定めるために評価を行う「固定資産税評価額」などがあります。
「基準地標準価格」は各都道府県から、「路線価」は税務署、「公示価格」は官報で、それぞれ公表されます。
不動産会社が査定を行う場合には、上記のような公的な参考価格に加え、予め定められた査定マニュアルを参考に
査定価格を算出することが一般的でしょう。
その価格を基準に、プロの経験値から「この金額なら売れる自信がある」と思う独自の金額を提示してくるでしょう。
昨今はインターネットの普及から、自分でもおおよその相場を予測できるようになってきましたので、
「もっと高く売れるのではないか。」と思った場合には、交渉してみても良いでしょうが、高すぎると、
なかなか売れない、というリスクが生まれます。
長い間売れ残る物件は魅力がなくなりますから、適正価格の見極めは、冷静に行いたいものです。
ご自身でも相場をよく調べた上で、査定をしてくれた不動産会社と“根拠”をよく話し合い、
『適正価格』を見出していくのがベストだと言えるのではないでしょうか。
Q2査定価格の決まり方は?
不動産会社に土地の売却の相談をすると、「このくらいの価格で売りましょうか。」
という目安の価格を教えてくれます。それが「査定価格」です。
不動産会社によっては無料で査定を行っていただけるところもありますので、
売却するかどうかを決める前に、査定価格だけを尋ねるのもいいでしょう。
では、査定価格は、どのようにして決まるのでしょうか
不動産会社では、(公財)不動産流通近代化センターが作成した価格査定マニュアルに基づき、査定価格を算出します。
住宅地価格査定と戸建住宅価格査定、中古マンション価格査定の3種類のマニュアルがあり、
下記の3つの方式に基づき定められています。
取引事例比較法
同じような不動産の取引事例と比較して、価格の見当をつける方法です。
具体的には、過去に取引した同じような物件の販売価格をベースに、査定する不動産と比較して個々の条件を比べた後、価格水準の見当をつけます。
そこに、地域要因や個別的な要因も比較して価格補正を行うとともに、今の市場の動向も加味した価格に調整します。
比較する取引事例は、近隣地域で同じ生活圏にあり、類似点が多い物件が最適です。
一般的に、土地や中古マンションの査定に多く使われる方法で、住宅地価格査定マニュアルの算出方式です。
似た条件の取引事例や、比較するにふさわしい取引事例がない場合は、
次に説明するような「原価法」や「収益還元法」と呼ばれる方法を使います。
原価法
売却対象の不動産をもう一度造るとしたら、どれくらい費用がかかるのかを計算し、そこから、物件の経過年数によって価格を下方修正し(減価修正)査定価格を求める方法です。査定する不動産が、‘建物’または‘建物と土地’、‘新しい造成地域の土地’の場合によく使われる方法です。
収益還元法
その不動産がもし賃貸用物件であった場合を想定し、その際に得られるであろう収益を算出した価格から必要経費を差し引いた金額を、査定価格とする方法です。
つまり査定価格とは、査定マニュアルという、第三者が定めた十分な根拠を以て算出されている、ということです。
Q3売却価格の決まり方は?
「売却価格」とは、不動産会社が助言する一定の基準価格、つまり「査定価格」をもとに、
売主、買主が十分に話し合い、合意に至った価格のことを指します。
不動産は売主の大切な財産ですので、ご本人が納得した価格で売却できるのがベストでしょう。
しかし、必ずしも思い通りの金額で売却できるとは限りません。
購入側は、できるだけ安く買いたいと考えるのが自然でしょうし、不動産にも相場がありますから、
あまりに高値をつけすぎたがために、「売れ残り物件」として、ますます売却が成立しにくくなる可能性もあります。
では、どのようにして「売却価格」を決めればよいのでしょう。
「価格は不動産会社が決めるのでは?」と思っている方もいるかもしれませんが、
不動産会社が提示する価格は「査定価格」という、あくまで価格決定の参考となる価格です。
まずは、売主である自分が“売却希望額”を決める必要があります。
“売却希望額”を決める際には、売却したい不動産の相場を必ず調べましょう。
不動産会社に査定依頼を行い、先に「査定価格」を出してもらっても結構ですが、
予め自分でおおよその見当をつけておくのもよいでしょう。
インターネットやチラシなどで、近隣不動産の売り出し価格を調べ、自分の不動産と比較し、
おおよその感覚をつかみます。
その上で、売却したい“最高価格”と、売却しても良いと思える“最低価格”を決めておきましょう。
“最高価格”はおおよその相場感に、自身の希望を含めた金額で結構ですが、
“最低価格”はローン残高や売却にかかる諸費用など、予め自分で経費を計算し、
今後の生活プランを考えた、現実的な金額を算出するようにしましょう。
こうして自ら算出した“最高価格”“最低価格”を、不動産会社が算出した「査定価格」に照らし合わせて判断し、
売却できると考えられる「売却希望価格」に調整を行います。
最終的には、売主が納得した価格が、不動産の「売り出し価格」として市場へ公開されます。
より早く売却したい場合には、「査定価格」と“最低価格”の間で「売り出し価格」を決めると
買い手がつきやすいと言われますし、少しくらいなら時間をかけてもよいので、
出来るだけ高く売却したいと考える場合には、「査定価格」より高めに売り出してもよいでしょう。
ところで、混同される方が意外に多いのですが、「売り出し価格」は、そのままでは「売却価格」にはなりません。
市場に出された「売り出し価格」には、買主の希望が反映されます。
買主が合意をすると、「売り出し価格」はそのまま「売却価格」になりますし、
合意しない場合は、売主と買主間で十分に話し合い、お互いが納得のいく価格が、「売却価格」となるのです。
つまり冒頭にも述べたように、
「査定価格」を基準に、売主、買主が折衝した価格が「売却価格」として成立する
ということです。
Q4売却にかかる費用は?
不動産を売却する時にも、費用はかかります。
売却時にかかる費用を用意していないと、売却の手続きが滞ることもあります。
必要な資金は、あらかじめ把握し、用意しておくと安心ですね。
ここでは、売却にかかる主な費用の概要をご説明しましょう。
仲介手数料
不動産会社を通して売却が成約した時には、
売却額に応じた「仲介手数料」を不動産会社に支払います。
「仲介手数料」は物件の売却額によって上下しますが、売買価格が400万円以上の場合、「売買価格の3%+6万円まで」という決まりがあります。
国土交通省によって定められた報酬の上限ですので、この規定を超えて支払うことはありません。
支払時期は、媒介契約の締結時に不動産会社と話し合いで条件を付けることができます。
例えば、
- 売買契約成立時に一括で支払い
- 売買契約成立時に半金、決済時または引き渡し時に残りの半金を支払い
など、仲介してくれる不動産会社によって異なるので、媒介契約締結前に支払時期については必ず確認しておきましょう。
税金
一般的に3種類あります。
■譲渡所得にかかる税金
不動産の売却によって得た利益(譲渡所得)額に応じ、所得税と住民税を支払います。
したがって、購入金額よりも売却金額が低い場合には課税されません。
課税額は、売却した不動産の所有期間や居住用不動産など、様々な条件によって計算方法が変わります。
控除条件もあるので、詳細な税額は、税務署や税理士に確認してください。
■印紙税
売買契約書には印紙を貼り、消印をします。印紙に消印をして頒布することで、印紙税の納付になります。
印紙の金額は、売買金額によって変わりますが、通常5,000万円以下であれば、15,000円以下となります。
■登録免許税
土地や建物を購入すると、通常は引き渡しを受けるのと同時に、所有権移転の申請を行ないます。
このときに必要となる税金が登録免許税です。
課税される主な内容としては、新築などで、その物件に対して最初に行なわれる所有権の保存登記、
土地・建物の売買や贈与・相続により、所有権が移転する場合の移転登記、住宅ローンの借入れにより、
金融機関からつけられる、抵当権の設定登記などをはじめとして、不動産の権利に関する手続きが、
ほぼすべて対象になるといえるでしょう。
司法書士に対する報酬
引き渡しの書類作成や所有権移転登記費用、必要な場合には抵当権抹消など、様々な手続きにかかる費用と、
その代行手数料です。金額は依頼する司法書士によって異なります。
その他
事例として多いのは、隣地との境界や面積が確定しない場合に、正確な測量をするための「測量費用」、
建物を解体して更地にする場合にかかる、「解体費用」などがあげられます。
また、住宅ローンの返済が残っている場合などには、
金融機関によっては全額繰り上げ返済手数料がかかります。
借り入れをしている金融機関によって異なりますので、こちらもよく確認しておきましょう。
以上が売却にかかる主な費用の概要です。
ケースによって必要な金額は変わりますので、おおよその必要経費を知っておきたいという場合には、不動産会社へ相談するとよいでしょう。
Q5売り出し価格は途中で変更できますか?
売り出し価格は、売主の意思により、高くも低くも変更することが可能です。
ただし、一度決めた売り出し価格を変更する時には注意が必要です。
まず、金額を明記した媒介契約書を不動産業者と取り交わしている場合には、
価格変更の手続きをする必要があります。特に広告などで購入者を募集している時には、
広告の有効期限内に価格をあげることはできません。
一度必ず、不動産業者に連絡をとってください。
また、なかなか買い手がつかない時には、売り出し価格を下げることを検討されるかもしません。
そうした場合であっても、少しずつ何度も値段を下げることはおすすめできません。
安くなったことで、心情的に迷う購入検討者もいますし、「もっと安くなるのでは」と様子を見ようとする購入検討者もでてきます。
不動産の価格には、誰でも分かる基準というものがありませんので、価格を変えることで購入検討者に不信感をもたれる心配もあります。
したがって、最初に少し高めに設定し、徐々に価格を下げることを想定するよりも、
できるだけ価格変更せずに売却できる価格を、予め設定することに注力してください。
それでも、どうしても予想に反して売却ができない、という場合には、
下げ幅やタイミングなどに配慮が必要ですので、プロである不動産会社に、アドバイスをもらいながら決めることをおすすめします。
Q6少しでも査定を高くする方法は?
不動産の査定は、しっかりとした裏付けがあるものなので、査定価格を大幅にかえることは難しいでしょう。
しかし、査定をしてくれる不動産会社がどういったところをポイントとして査定しているかをおさえることで、査定価格は多少高くすることができます。
不動産の査定方法には、簡易査定と訪問査定の2種類があります。
簡易査定 | データを元に、机上で算出する査定 |
---|---|
訪問査定 | 現地訪問した上で算出する査定 |
自身がどのような不動産を所有しているかによりますが、
一般的に査定価格を高く算出してもらいやすいのは、訪問査定といわれます。
なぜなら訪問査定の場合には、眺望や通風・日照、居住性や快適性、環境の良さなど、
データだけでは伝わらない、実際に居住した時に得られる良さも伝えることができるからです。
もちろんデメリットも見えてしまうという反面はありますが、
不動産の状態によっては、査定額を上げることが出来るかもしれません。
その他、売却に緊急性がないのであれば、購入希望者が増える時期に
査定を依頼するのも査定価格をあげる良い方法かもしれません。
需要が多ければ、査定価格も上がりやすくなります。
さらに、もし情報が手に入るならば、
インフラ整備がされる時や税制的な優遇措置のタイミングをねらうもの良いでしょう。
道路やスーパーなどの生活インフラが整備されて利便性が増すと、住みたい人が多くなり、購入希望者が増えます。
このような時には需要が高まりますので、相場もあがり、査定価格も高くなることでしょう。
また税制が変わったり、補助金が出たりと、政治的な優遇措置がある時期や、
銀行から新しい住宅ローンが販売される時期にも、購入希望者が増える傾向があります。
ところで、不動産会社が算出してくれる査定価格は、
1社だけでは高いのか安いのか比較できませんし、妥当性も判断できないことでしょう。
ですので、査定は数社に依頼するのがおすすめです。
だいたい3社~5社くらいを目安として、できれば大手・中小・地元密着など、特徴の異なる会社を選ぶと、違うポイントを査定してくれる可能性があります。
その際忘れてはならないのが、「査定価格を聞く時には、査定の根拠をしっかりと確認すること」です。
もし会社により査定価格に開きがありすぎる場合は、契約を取りたいだけの場合、もしくは、他の業者が知らない情報を独自で持っている可能性がありますので、理由を必ず確認しましょう。
そして最後に最も注意していただきたい点をお伝えします。
「査定価格を少しでも高くしたい」そのために、マイナス要因を伏せるのは良くありません。
後々、契約トラブルに発展する恐れもありますので、高く査定してもらいたい気持ちはわかりますが、
マイナス要因もきちんと伝えて、正確に査定してもらいましょう。
Q7売却したときの固定資産税はどうなりますか?
不動産の売買においては、売却日をもって売主と買主で、
その年の固定資産税を精算することが一般的です。
基本、固定資産税の納税義務があるのは、1月1日時点で、その不動産を所有している者です。
ですから、1月1日時点の持ち主が売主であった場合、支払う義務があるのは売主です。
しかし、売却した後の固定資産税は、相当分を日割り計算し、
買主が売主に支払うのが不動産取引における慣例となっており、
売買契約書にもその旨記載がされています。
多くの場合、所有者が定められた1月1日を起算日(一部には固定資産の評価額が変わる、
4月1日を起算日とすることもあります。)とし、
1月1日から売却日前日(あるいは当日)までの固定資産税を売主が負担し、
売却日以降(あるいは翌日以降)の固定資産税は買主が負担します。
売買契約書の中には、日割り計算による固定資産税の負担が明記され、
不動産の売買代金とは別に、相当分の金額を買主から売主へ支払います。
ここで注意しなければいけないのは、買主が負担する固定資産税の相当金額は、
法律上は税金とはならないことです。
法律的には、固定資産税を支払うのは売主ですので、買主が負担する相当分の金額は、
不動産取引の一部とみなされます。ですから、税制控除などの特別措置があったとしても、買主には適用されません。
※ところで、固定資産税は地方税ですので、税率はおおむね14%で、納税請求は春に届き、支払いは分割や一括など選べるなど共通する部分が多いものの、地方によってシステムが異なることを覚えておきましょう。
売買契約後の、次の1月1日には、正式に納税義務者が買主へと移ります。
その際には地域や所有している不動産の種類(新築やバリアフリー、長期優良住宅など)によって
減税措置がある場合がありますので、地域の特例と自分が対象であるかどうかを調べてみてください。
最後になりますが、
税金の減免は申請しないと認められませんので、しっかりと調べておきましょう。
Q8売却した場合、確定申告は必要ですか?
売却の事実があれば、税務署からは確定申告の通知が来ます。
売却により利益が生じた場合でも、損益が生じた場合でも、
いずれにしても確定申告をする必要があります。
その理由と仕組みについて、非常に簡単ですが、ご説明します。
売却によって利益が生じた場合
一定の要件のもとで「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」が適用されます。
非常に高額な建物や広大な住まいなど、特殊な物件の売却でないかぎり、3,000万円までの譲渡所得については非課税になりますので、
納税の義務が発生することはほとんどありませんが、3000万円を超える分には、所有期間に応じた課税がなされます。
売却によって損失が生じた場合
5年以上所有するマイホームの売却だと、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」によって売却した年を含んだ、
むこう最長4年間に、その損失分を総所得金額から控除し、所得税の還付を受けることができます。
住み替えのために売却を行った場合
一定要件に該当する必要がありますが、「特定の居住用財産の買換えの特例」があり、課税の繰り延べをすることができます。
所有期間 | 適用される特例 | ||
---|---|---|---|
譲渡による利益あり | 10年超 | 買替 | 特定居住用財産の買替特例 ※1 |
買替なし 買替特例不使用 |
3,000万円の特別控除&軽減税率の特例 | ||
5年超10年以下 | 3,000万円の特別控除の特例 控除しきれない利益について: 長期譲渡所得の一般税率 (20%:所得税15%+住民税5%) |
||
5年以下 | 3,000万円の特別控除の特例 控除しきれない利益について: 短期譲渡所得の一般税率 (39%:所得税30%+住民税9%) |
||
譲渡による損失あり | 5年超 | 買替 | 居住用財産の買替えなどの場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例 ※2 |
買替なし | 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例 ※3 | ||
5年以下 | 適用される特例はありません。 |
※1買替え特例とは
売却で得た利益よりも、新たな住宅の取得価額のほうが高ければ、その利益はなかったものとみなして課税されませんが、新たな住まいの購入額のほうが低い場合には、その差額について課税されます。したがって、利益として得た金額が3,000万円以上で、かつ利益の額以上の住宅を購入するならば、「買換えの特例」を利用することになります。ただし、この買換えの特例は“課税の繰り延べ”であり、新たに購入した住宅を、将来に売却したとき、まとめて課税されることになります。また、この特例を利用すると新たに購入する住宅に「住宅ローン控除」が使えませんので注意してください。
※2
売却によって生じた損失を4年間にわたって総所得金額から控除することができます。ただし、この適用は所得金額が3,000万円以下の年にかぎられます。また、「住宅ローン控除」との併用は認められていますが、損失に関する控除については、毎年、申告をしなければなりませんので、注意が必要です。
※3
売却後の住宅ローン残高(売却代金をあてても返済しきれなかった金額)と売却後に生じた損失額のうち、いずれか少ないほうの金額が損益通算および繰越控除の対象金額となります。
いずれも、売却をした年の翌3月15日までに確定申告を行わないと、適用されませんので、
期限には十分気を付けて、忘れずに申告するようにしましょう。
またそれぞれの特例には、細かな条件や、定められた所得の計算方法などがありますので、
不動産会社に相談するか、税務署に問い合わせ、ご自分はどの特例が適用されるか、事前にしっかりと確認しておきましょう。